リーガロイヤルホテル東京のパティシエ、竹村さんの得た「専門学校での学び」とは。

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12 竹村 さおりさん

短大を卒業後、専門学校の夜間部へ進学した竹村さん。「いまの仕事に活きている」という専門学校での学びや、自ら「ここしかない!」と考えて就職した第一希望の職場、『リーガロイヤルホテル東京』でのパティシエとしての日常、仕事への思いを語ってくれました。
 

|パティシエをめざした理由|

自分にとって身近だった、お菓子づくり。


うちは家族全員甘党で、兄までいわゆるスイーツ男子(笑)。母がよくお菓子をつくっていたので、家には製菓器具がたくさんありましたし、自分も一緒につくったり、お菓子が身近にありました。高校を卒業してすぐに製菓系の専門学校に行こうとも考えたんですが、「大学を卒業してからでも遅くない。まずは視野を広げてみたら?」という親の薦めもあり、短大に進学しました。短大の就活では、企業もいろいろな選択肢があって悩みましたが、結局は「手に職をつけたい」じゃないですけど、やっぱり自分の身近なものとしてあったパティシエの道に進もうと決心しました。そう心に決めたら早いので、秋にはすぐ願書を出しました。

|夜間部を選んだ理由|

働きながら並行して勉強したかった。



東京製菓学校を選んだのは、知人が先に入学していて、その子の誘いで『菓子祭*』を見に行ったことがきっかけです。そのときに学校のスタッフの方がしっかり説明してくれて、帰りには案内書までいただきました。実際に自分の目で見て気に入ったので、とくにほかの学校と比べたりせず入学を決めました。夜間部にしたのは、洋菓子を専門とした実習中心のカリキュラムだったということと、「やってみないと分からないことはいっぱいある」と考えたからです。後々パティシエとして働くつもりでしたし、それなら最初から働きながら並行して勉強するほうが、早く上手くなるんじゃないかと考えたんです。

*菓子祭:東京製菓学校の一大オープンイベント。毎年2月に開催される。

|学校時代の想い出|

グループワークの大切さを学べた。

 

授業は5-6人のグループで協力しながら共同で作業をしていくんですが、家で一人でつくるのとは違う発見がたくさんありました。段取りや担当を考えながら仕事を分担することの大切さや、同じものをつくってもグループによって仕上がりが変わってきたりする難しさも感じました。現場でも同じように分担・共同作業なので、グループワークを学べたことは仕事に活きていると思います。実際に仕事をしていると「あ、これ学校で習ったな」っていう状況に出会うことも少なくないですし、先生が実習で使っていたフランス語の基本単語もよく出てきます。それについていけるのも、学校で学べた利点です。
 


 

また、担任の先生とは別の先生も実習にきてくださるんですが、やり方や教え方が違ったりするのも面白かったですね。個人店の方やホテルの方、年代も幅広かったですし、お話しされることにも個性がありました。いちばん印象的だったのは、フランスから来られたM.O.F.*の先生の授業です。色づかいひとつとっても日本のやさしい色とは違ってビビッド。目で訴えるようなきれいなケーキだったのを覚えています。自分が気に入らなかったら何回も絞り直したりもしていて、仕上がりに対するこだわりもすごかったです。「お菓子づくりに感情が出てる」というか、手早い作業のなかに情熱を感じました。オーラがありましたね。

*M.O.F:フランスの国家最優秀職人章の称号。

|就活のこと|

ホテルしか考えていなかった。

入学後に就職課の方に紹介していただいた個人店で2年間アルバイトをしていました。とてもよくしていただいて、就活の時期にはそのお店からもお誘いをいただいたんですが、一点突破でいまの職場を希望しました。じつは、私の両親がリーガロイヤルホテルで結婚式を挙げたりとご縁がありまして。親しみも感じていたので「働くならこのホテルの製菓がいいな」と思ったんです。
 

 

そもそも、広くてきれいで、いるだけで楽しい気分にしてくれる “ホテル” という場所が好きだったんです。あとは何と言ってもその「おもてなし感」。休みの日には都内のいろいろなホテルにご飯を食べに行ったり、ペストリーショップをのぞいてみたり。外資系のスタイリッシュな感じや、老舗の重厚感や、うちのようなアットホームな雰囲気だったりと、個性の違いが面白くてよく足を運んでいました。でも「ここに受からなかったらほかのホテルを受けよう」とは考えませんでした。うまく言えませんが…当時は気持ちが先走っていて「ここしかない」と思っていたのかな。親しみのあるリーガロイヤルのおもてなしスタイルや空気感を、つくる側の一員として感じてみたい、というのがあったんだと思います。

|いまの仕事について|

毎日変わる仕事が刺激的。

製菓スタッフはパートを含め10名程度なんですが、アットホームな雰囲気です。シェフも優しくて「子どものようだ」と言ってくださって(笑)、かわいがっていただいています。朝出社したら、レストランとペストリーショップに出すケーキの仕上げをして、その後はムースなどの仕込みやさまざまなスイーツづくりの補助など。婚礼や宴会に合わせたケーキでしたり、つくるものは毎回内容が違っていて、シェフや先輩方が実際にルセット*を起こしてゼロからつくってるのを間近で見て、次々に新しいものが生み出されていく様子に刺激を受け続けている毎日です。毎回写真を撮って、あとで見返したり、自分なりに勉強もしています。

*ルセット(仏、recette):つくり方、レシピの意味。
 


ホテルは製菓に限らずいろいろな部門があるので、ホテルの中だけでさまざまな人・仕事と触れ合えますし、人として勉強になると感じます。お菓子は、レストランでもペストリーショップでも結婚式でも宴会でも、ホテルのたくさんのことに関わっていて、欠かせない存在。ホテルを利用するお客さまのいろんな場面に、お菓子を通じて関われることは、幸せなことです。人の暮らしや喜びに、そっと寄り添える。パティシエっていう仕事のいちばん嬉しいところだし、やりがいを感じるところですね。

|これからの目標|

毎日が勉強。いろいろなことを吸収したい。

 

いまは先のことはあまり考えられなくて、日々学ぶので精一杯。生菓子をメインにやらせていただいてるんですが、これから焼き菓子にも携わらせていただく予定なので、毎日ちゃんと同じように焼けるようにする、というのが当面の課題であり目標。補助をしながら、シェフや先輩たちにいろんなことを聞いて吸収しているところです。

また、今後少し余裕が出てきたら、製菓衛生師の資格も取得したいです。技術的なことはさておき、国家資格なので自分がパティシエとして学んだことの証になるなと思っています。学校で無料のセミナー*を開催してくれているので、参加しようとチェックもしています。また、ホテルだけにコンクールに出させていただく機会もあるので、ゆくゆくはチャレンジしたいと思います。

*製菓衛生師受験対策セミナー:無料で受講できる、卒業生を対象にした資格取得に向けた集中セミナー

リーガロイヤルホテル東京

緑豊かな都の西北・早稲田に佇む、伝統と格式のあるホテル。ヨーロピアン・クラシックで統一されたインテリアと敷地面積約1万坪の庭園・大隅庭園が特徴。貴族の館のような、穏やかで優雅な空間が、都会の喧騒を忘れさせてくれます。



~竹村さんのオススメ~

○ペストリーショップ『メリッサ』:リーガロイヤルホテルが手がける逸品を自宅でも楽しめるテイクアウトショップ。営業時間は10:00~20:30。

○早稲田の杜のロールケーキ:沖縄特産の本和香糖を使用したふんわり&しっとり生地とあっさり口どけのクリームが人気の定番スイーツ。



東京都新宿区戸塚町1-104-19

03-5285-1121(代表)


ホームページ

www.rihga.co.jp/tokyo/





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