数々のコンクールにも挑戦、練馬の有名パティスリーで活躍する新鋭パティシエ・上妻さんのアドバイスとは。

はたらきながら学べるスクール選びなら
就職・転職へのヒントはここにあります

03 上妻 正治さん

|パティシエをめざした理由|

「つくる仕事」に憧れて。

僕は鹿児島県の種子島出身。農業高校で畜産の勉強をしていたし、実家もさとうきびなどを栽培していたので、食べ物にもともと縁がありました。身近にいろいろな食材があったせいか、つくることが大好きで、クレープをつくって親に食べさせたりしていました。そのときの喜びが原体験としてあって「製品にしてみたい」「素材をつくるのではなく、お菓子をつくる仕事をしてみたい」と考えるようになりました。
|学校選びについて|

高校の先生に相談したのも大きかった。

パティシエになろうと決めたものの、地元ではお茶菓子程度のものしか見たことがなかったし、本格的にお菓子づくりを学べる環境がなかったので、WEBサイトでいろいろ調べていました。とにかく「いろいろなものをつくりたい」と思い、学校は実習の多さを基準にして調べました。自分が好きなことをやるための進学だったし、親に(経済的)負担をかけたくなかったので、昼間働きながら勉強できる夜間部のあるところを探して東京製菓学校に行き着きました。高校3年の夏休みに体験入学にも参加し、自分の目でも確かめました。実習量だけでなく内容も納得できるものだったので迷わず決めましたが、高校の先生に相談したのも大きかったです。
先生には働きながら夜間の大学や専門学校に通える支援制度がある会社を紹介してもらいました。進学について理解があり、寮も完備されているうえに保険も入れる。結局その会社にお世話になることにして、レストランのホールスタッフの仕事をしながら学校に通いました。バックアップ体制が整っていたのも、いま思えばとても助かりましたね。
|学生時代をふりかえって|

いまだから分かる、専門学校の「クオリティ」。

ふりかえって感じるのは「いまに活かせる、現場に基づいた授業」だったということ。言い方は悪いかも知れませんが、東京製菓学校の授業は「普通に授業を受けてさえいれば、できるようになる」ものだと思います。その根底にあるのが、先生力。レシピを教えるだけならどこの学校でも同じだと思うんですが、レシピの扱い方、何をどうつくったらいいのか、といった理由が明瞭なんです。学生時代に先生が言っていたこと、やっていたことを記したメモは、いまでも本当に良く見返します。それだけ大事なポイントが書かれてるということです。

例えばケーキをつくるのって"化学変化"なんです。シュー生地ひとつとってもちゃんとそのデータや治験がないとふくらんでくれない。その理由が、夜間部で学んだ僕らには「分かる」んです。普通なら下積み時代に教わることを、すでに学んでいる。だから現場への対応力も高い。数年分の仕事経験に相当するくらいです。あらためて授業のクオリティの高さを感じますね。
また、クラスの友だちには昼間に大学へ行きながら通っている人もいたし、パティスリーでアルバイトをしながら通っている人も決して少なくありませんでした。そういう仲間に「負けられない!」って気持ちで、授業に対する日々のモチベーションも高かったです。最近は短大などでもスイーツが学べるところがありますが、いる人のモチベーションや学習態度から言ったら、専門学校のほうが断然本格的じゃないでしょうか。
|就職について|

早く成長したかったから、いまのお店に。

就職に際しては、自分で何十件も食べ歩きをして希望のお店を絞り込んでいきました。とにかく何でも知りたいし、何でもやりたい。一日でも早くいろいろなことを吸収したかったので、つくるケーキの種類が多いところ、焼き菓子やパン(ヴィエノワズリー)も扱っているところを探していきました。いまのお店にしたのは、「ここでやればひと通りできるようになるな」と考えたからです。
コンクールへの出品にも理解があるお店でしたから、積極的に自分の技術を磨ける環境だと思ったし、田舎者なんで(笑)、コンクールで賞を獲って「故郷にひと花咲かせたい」という思いもありました。
|仕事について|

5年目でスーシェフ。責任ある立場として。

このお店は暗黙の了解で「5年経ったら新しい場所に行って新しい挑戦をしろ」って感じなんです。だから菓子店を経営するための仕事のすべてを4~5年で経験し、身につけられるようなシステムになっています。今年5年目の僕はいまスーシェフをやらせてもらっています。自分がつくるだけじゃなく、お店に出す製品のチェックやスタッフの作業・接客対応まで目を配っています。
責任のある立場ですし、自分の態度や言動を見て後輩たちが育っていくわけですから、つねに「見られている」ということを意識して仕事をこなしています。また、ここはあくまで中川シェフのお店なので、シェフの求めていること、要求のレベルをきちんと把握して、スタッフに教える、あるいは要求することも心がけています。
|コンクールへの挑戦|

個人店で一流ホテルに勝つ。ロマンです(笑)。

コンクールには、自らの技術を試す機会として積極的に挑戦しています。お店の後輩たちもみんな取り組んでいる社風なので、モチベーションを高く保てます。出品の時期が近づくと、仕事をしながらほぼ徹夜の毎日。仕事以外の時間のほとんどを作品づくりに注いでいます。個人店に勤めながら一流ホテルのパティシエに勝つって、けっこうロマンです(笑)。仕事をしながらコンクールに挑戦するには、計画性が必要です。時間をムダにできないし、スケジュールをしっかり立ててやらないといいものはできません。
日本のパティシエの登竜門である『ジャパンケーキショー』では、2011年にはマジパンで銀賞、2012年には金賞を獲ることができましたが、目標はやっぱり多くのパティシエたちが目指す『味と技のピエスモンテ』です。みんなここを目指しているので、自分もここで賞が獲りたいと思います。

【上妻さんの主な受賞歴】
2012ジャパンケーキショー東京 マジパン仕上げデコレーション部門 金賞 受賞
2013ジャパンケーキショー東京 味と技のピエスモンテ部門 金賞 受賞
|これから|

来年はフランスで修業したいと思ってます。

最終目標は、この業界に足を踏み入れたときから「自分の店を持つこと」。このお店での仕事は今年が最後なんで、まずは来年の春あたりにフランスへ修業に行きたいなと。シェフのコネクションも頼れるんですけど、自分でいろいろなお店を回って飛び込みで、なんていうのも良い経験になるかなと思っています。
パティスリー キャロリーヌ
東京・練馬にある有名パティスリー。60種類以上のケーキを中心に、フランスのパティスリーが扱うほとんどのお菓子を製造、豊富なアイテムを取り揃え、フランス菓子をベースに和の素材を活かしたケーキや旬の素材を使った多数の新作ケーキも好評です。オーナーシェフは、日本テレビ『世界一受けたい授業』でもおなじみの中川二郎氏。東京製菓学校の卒業生で、洋菓子科教師として教壇に立っていた経験もあります。


~上妻さんのオススメ・スイーツ~
○クロード:濃厚なチョコクリームとざくざくナッツの食感が絶品の、オトナ向けスイーツ。
○ミッシェル:ホワイトチョコ、クリームチーズ、アーモンドスポンジを合わせた赤い果実のロールケーキ。 





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