夜間部で洋菓子を学び、第一線のパティスリー「パティシエ・シマ」で働く内海さんの学校選びのアドバイスとは。

はたらきながら学べるスクール選びなら
就職・転職へのヒントはここにあります

02 内海 知佳さん

|どうしてパティシエに?|

幼いころ経験した「喜び」を仕事に。

短大在学中、「就活どうしようかな」と考えてた時期によみがえったのが、幼いころの記憶。母の趣味がお菓子づくりで、家でよくシュークリームとかつくっていました。カスタードクリームを炊いたりシュー生地を焼いたり、いま思うとけっこう本格的で。お手伝いしてて、シュー生地がふわっと上手にふくらんで、おいしくできて、家族みんなが喜んでくれたことがとっても嬉しかったことを思い出しました。そういう「モノづくりの喜び」を仕事にできたらいいな、だったらパティシエをめざしてみよう、ってなったんです。
|学校選びのポイント|

夜間部でも "実習重視" の学校を求めて。

商業系の短大だったので「プロになるにはちゃんと専門学校で勉強しないとダメだな」と思い、卒業したら製菓系の専門学校に入ろうと決めて探しました。パンフレットなど資料も取り寄せ、何校かに絞りこんで体験入学に行ったり、学校見学に参加したり。
学費を自分で貯めてから行こうと思っていたので、最初から働きながら通える夜間部にしようって決めていたんですが、重視していたのは「本格的な実習ができる」こと。どうせならいろいろな技術を修得したかったんです。東京製菓学校に決めたのは、アメ細工やショコラなど「夜間の学校でもここまでやれるんだ」ってくらい実習に力を入れていると感じたから。何回も通って実際の授業をみたり、説明を聞いたり、体験入学での先生方の教え方なども目にして「やっぱりココしかない!」って思いました。
あと、家からのアクセスが良かったこと、入学後に昼間のアルバイトを紹介してくれるサポートがあるというのもポイントになりました。
|入学してみて…|

先生がつきっきりでみてくれる安心と充実度。

短大を卒業後1年間アルバイトを頑張って、学費を貯めてから入学。東京製菓学校での学生生活はとにかく「楽しかった」のひとことに尽きます。週3回の授業が本当に充実してました。昼間部に比べて年齢も少し高めだったせいもあるのか、みんなすごく授業に集中してて「勉強しなきゃ」っていう熱がありました。明るいんだけど、緊張感がある。いつも心地よい雰囲気で勉強できました。
あと、何と言っても専任の先生がいるのは大きなポイントでした。いつもつきっきりで、一緒にいてくれる時間が長いぶん、気になることは何でも気軽に聞ける。「勉強しにきてるぞ」っていう実感はかなりありましたね。いろいろなお菓子が学べるし、何より先生方のつくる製品が本当においしかったです。先生の模範実技で感じたことや授業中に気づいたことはノートにまとめ直して、その後の実習でも使っていました。
|就活について|

数ある選択肢から、先生オススメのお店に。

東京製菓学校はとても求人数が多かったので、いろいろなお店の中から行きたいところを選ぶことができました。いまのお店は担任の先生も勧めてくれたお店。「老舗だし、従業員は仲がいいし、感じのいい人が多いよ」って。実際入ってみて、そう実感しています。

シマのスタッフとともに。

本当に仲がいいので仕事はしやすいですし、食べ歩きとか、お祭りやお花見、バーベキュー、ラフティングなどイベントも多くて、お休みの日も一緒に過ごすことが多いです。お店に以前勤めていたOBやOGも参加するくらい。これってけっこう珍しいかもしれないです。
|しごとで感じていること|

新米パティシエだから「いまよりも早く」。

2年目のいまは、焼き菓子を焼いたり、生菓子の仕上げ作業をしたり。まだまだ新米パティシエですが、たくさんのお菓子づくりに関わっています。入社1年目は販売だったので、本格的につくる仕事は卒業以来約1年ぶりの緊張感がありましたが(笑)、授業でやってたりやったことがある作業って、意外と当たり前のように覚えてて「やっぱり実習って役に立つものだな」と実感してます。


仕事中に心がけているのは、メモをとること。オーブンの状態や焼き菓子のコツなど、作業の合間や休憩中にとにかく思いついたことをメモしています。つくるお菓子の種類が多いので、正直書かないと覚えられません(苦笑)。手を動かすことがすごく大切だし、やっぱり仕事を覚える一番の近道だと思うんです。
これから冬に向けては、どんな作業でも「いまよりも早く」が課題。百貨店の催事もありますし、お店ではジャパンケーキショー*1の喫茶で提供するケーキも手がけているので、そちらでも忙しくなります。それが終わるとクリスマスですから年末まではあっという間。ガレット・デ・ロワ*2、バレンタイン、ホワイトデーと続きますから、もうずっと繁忙期です。卒業生の友だちと連絡はとりあってますが、次に会えるのは夏だったりして(笑)。


*1『ジャパン・ケーキ・ショー』
毎年10月に開催される国内最大の洋菓子作品展。デコレーションケーキやアメ細工などの工芸菓子をはじめとしたコンクールも開催され、若手パティシエ、ショコラティエの登竜門となっています。
*2『ガレット・デ・ロワ』
フランスで1月6日の公現祭の日に食べるお菓子。中に陶製の小さな人形が入っていて、切り分けて食べたときにこの人形が入っていた人がその座の王様となって祝福を受けるというならわしがあります。地方によってさまざまですが、アーモンドクリームの入ったパイが一般的です。
パティシエ・シマ
日本フランス菓子界のトップパティシエの1人、島田進氏が展開する老舗。クレームアンジュ、クレームブリュレ、石畳(生チョコ)など数々のフランス菓子を世に送り出し、気軽にパティスリーで買えるようにしたのは、じつはパリより東京が先。このお店がブームの火付け役。常に40種以上の生菓子と30種以上の焼き菓子が並ぶ東京の名店には、遠方からもたくさんのお客さまが訪れます。
お菓子を通じてフランスの豊かな食材・食文化を日本中の人に届けたいという島田進氏の活動は高く評価され、2005年フランス政府より農事功労章シュバリエを受勲しています。


~内海さんのオススメ・スイーツ~
○クレーム・シマ:その名に『シマ』を冠するクレーム・ブリュレ。内海さんの家族みんなも大好きなんだとか。
ちなみに「お父さんがよく買いにきます。常連化してるのがちょっと恥ずかしい」とひとこと。
○クレーム・アンジュ:同じくパティシエ・シマのスペシャリテ。フランス産フロマージュブランとフランボワーズのソース。 





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